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カサ・バトリョ③【海外研修旅行】
2024.06.20ツァイト
前回に続いてのお話です。
スペインに入国してから、実際に訪れて、ガウディの世界観や建築の特徴をお話ししてきました。
このカバ・バトリョ、設計はガウディですが、ある一部のみ、日本人建築家が手掛けている事は、ご存知でしょうか?
その建築家の名は、隈研吾 氏。
新国立競技場を設計した、世界でも非常に有名な建築家です。
え?あのガウディ建築の中の、どこを手掛けたんですか?
そう思われる方もいると思います。
実は、隈研吾氏が手掛けている場所は、非常階段なんです。
おそらく、私の知る限り、一番かっこいい非常階段ではないでしょうか。
デザインの前に、少し非常階段とは何か?についてお話ししたいと思います。
建物に設置された避難用の階段で、直接地上に繋がっている階段の事を言います。
「非常階段」がより一般的な名称で、 建築基準法施行令で規定されており、「火災時などに火炎や煙の侵入を防ぎ安全に避難できることを目的とする階段」と定義され、
「屋内避難階段」「屋外避難階段」「特別避難階段」の3種類に区別されています。
カサ・バトリョは見学時、順に進むと、最後はその避難階段を使用して、一階に行く為、見学すれば実際に見れることが出来ます。
隈研吾氏は、この階段について、こう言っていました。
「僕らがデザインしたカサ・バトリョの避難階段は、ガウディも生きた過去と現代のバルセロナの雑踏をつなぐタイムトンネルとして、想像以上に、うまく機能していた」
なるほど、タイムトンネル。
これまでガウディの歴史、背景を知り、建築を見てきましたが、確かに現代につなぐ何か、が無かったと思いました。
しかし避難階段に着目し、その機能や法規もクリアにして、デザインでタイムトンネルを完成させた隈研吾氏は、流石だなぁと実感しました。
しかも今回、デザインに使われているのは、ホームセンターなどで、誰でも購入が出来る、チェーンという驚き。
誰でも使えるもので、他にはないデザインを生み出す事はとても難しい事だと思います。
いい刺激を受けました。