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塩田千春 つながる私展【芸術鑑賞】

2024.10.27芸術・デザイン観賞

ベルリン在住の現代美術家 塩田千春氏の展覧会へ行ってきました。

 

久々の大規模なインスタレーション(空間を使ったアート)を体感でき面白かったです。

塩田さんの作品に触れるのは、初めてで、「生と死」に向き合った作品を手掛けているそうで、

迫力だけでなく、深く考えさせられるような繊細な部分も感じました。

 

 

中之島美術館で開催されていたのですが、

展示会場へ入る前のロビーにも大きな作品が展示されており、

その作品の中を通って入場するスタイルに心が躍りました。

入る前から圧巻される感じはスペインのMoco Museum以来久々の感覚でした。

Moco Museumの記事はこちら>>

 

今回の展示は作品だけ観ても面白いのですが、

作品紹介の動画を観ることをお勧めします。

アート作品は観て感じてくださいという展示が多い中、

作者の思いや、長く活動されている中での変化などを、聴けるとても有意義なものとなっています。

生活をしている中で、自身に起きた出来事がインスピレーションとなり作品に繋がるなど、中々聴くことのできない作品の裏側を知ることができます。

 

アートとデザインは全く違うものですが、

デザインと少し似た部分もあるのだと改めて感じました。

 

 

作品についてですが、

入口を入ると白い糸で空間を編み込んだ作品を観ることができます。

 

 

「巡る記憶」という作品です。

 

白糸と黒い水盤。

そして、水盤に落ちる水滴で構成された作品です。

入口前の赤い糸の作品から

白い糸の作品のコントラストが面白く感じました。

 

 

赤の強いイメージから

白の爽やかなイメージの空間へ。

壁一つ越えると全く違う雰囲気の空間になる。

同じ素材を使って同じような意匠でも、

色が与える心理的影響は違う。

写真では感じとれない空気感は

その場に居なければ感じ取れないものなので、

大規模インスタレーションならではで、

今回の展示作品に巡り会えて良かったと思いました。

 

私は心理的変化を感じた時は記憶に残せるように

感じた感覚を振り返り、分析するようにしてます。

作品を観終わった時に、ゆっくりとする時間を設け頭の中で色々考えます。

特に、空間の演出に使えそうだったり、

グラフィックのデザインに活かせそうな作品に出会うと

延々と考えていられます。

今回もその一つとなりました。

糸が織りなす意味と作者の想いが

とてもクリアに私の中に入ってきたように感じました。

何より、作品の美しさも心を動かされた要因となっているのも確かだと思います。

 

キャンバスに糸で描かれた作品もありました。

 

 

少しホラーを感じる作品もありました。

「他者の自分」

 

 

 

最後の展示室は大きなアート。

メッセージのかかれたペーパーを糸に吊るした作品で、メッセージを繋ぐイメージだと動画で言われていたと思います。

 

ゆっくり観て1時間半程の展示でした。

作品が大きいので見応えがありました。

空間に左右される作品だと思うので、

他の場所での展示も観てみたいと感じました。