葬儀場設計

葬儀場を設計するポイント

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【葬儀の変化】【葬儀場に必要な部屋】 【式場の広さ】【式場の形状】【式場に必要な備品・設備】【会食室・お清め室】【困った時の多目的室】【設計者として感じること】
【project list】

【葬儀の変化】

昨今、葬儀の在り方が変わり、大きな葬儀を行うのではなく、2,30人規模の家族葬が好まれるようになっています。 小規模で葬儀をし、葬儀が終わり落ち着いてから、知人へ連絡するスタイルが好まれています。

昔のような大規模の葬儀は、ご遺族の負担が大きく大変です。葬儀は家族が亡くなり悲しみの中、準備をします。 葬儀場を決め、日取りを決め、知人に連絡。葬儀中に流す曲目や、演出、お花、祭壇などのプラン決めなど... 慌ただしく短い期間に準備します。
準備以外にも、関係者への連絡や挨拶など、フォーマルに対応しなければならないことも多く、気疲れし心が休まりません。 小規模の家族葬が主流になり、フォーマルに対応しなければならないことが減り精神的負担が軽減され、葬儀で家族を見送る とに集中することができるようになりました。
そうなることで、対外的なしがらみやフォーマルさが減り、葬儀自体が家族や親近者だけのものとなり、より自由度が高く変化しています。
今までのように、近所の地味な会館でとりあえず儀式的に済ませるスタイルは時代遅れとなり、ご遺族の意向や好みによって葬儀場も選ばれる時代となりました。

他にも、自宅で葬儀を行う地方もあると思います。私も経験ありますが、自宅での葬儀は、準備も片付けも全てが大変ですし、部屋の広さも必要になります。 自宅で行うことが主流の地域でも、今では、家族葬対応の施設を利用することが増えています。

また、最近の家族葬では、オンラインで葬儀を配信するシステムも普及し始めており、入院中の方や、どうしても列席できない方に、 オンラインで同時刻に参列することができる時代になりました。

時事的な話ですが、特に今は、2019年末頃から流行り出したコロナの影響もあり、大人数で葬儀を行うことが避けられています。 時代と共に、葬儀のあり方が変わり、葬儀場に求められるユーザーのニーズも変わっています。そのニーズの中には、空間のデザインや雰囲気、演出なども考慮する対象となっています。

【葬儀場に必要な部屋】

家族葬の施設は様々なスタイルがあります。施設の規模によって、施設内に設置できる室数が変わります。 また、葬儀社によって必要な室も変わってきます。葬儀の運営のした方によって、限られた土地の中で、工夫を凝らし、有効に空間を構成することが求められます。

最低、式場と会食室(お清め室)があれば、葬儀は行えます。その他、宿泊室や、湯灌室、納棺室、親族控室、僧侶控室、安置室など、規模やサービスによって部屋数を変え、設計していきます。

地域やサービスによって、湯灌は葬儀場で行わないところもあり、宿泊しないところもあります。宿泊室は設けても、お風呂は、近くの銭湯や温泉施設に行ってもらうなど、施設によって異なった要望がでてきます。運営上もありますが、地域の人たちがどのような葬儀を好まれるのか、どのような家族葬を求めているのかを理解することが必要になります。

【式場の広さ】

式場の広さは、家族葬では重要なポイントです。 新築の場合、自由に席数を決められるので、葬儀の規模を予め想定し、設計に臨みます。
改修工事の場合は、室の大きさが決まっているので、そこに入る席数で設計します。

家族葬の場合、小規模で行うことが多いので、20名前後で設計することが多いです。少し余裕を持たせたい場合は、30名規模の式場にします。

40,50名対応になると、少人数の葬儀を行う時に広すぎて落ち着かない雰囲気になってしまいます。広い空間にポツンと数人が座って葬儀を行う、というような寂しいお別れとなってしまいます。

家族葬をメインにされる場合は、20名前後で式場を作るのがオススメです。
20名対応の式場でも、広さは思っている以上に必要になります。祭壇、棺、寺前、焼香台など、祭壇周りに必要な家具が多く、スペースが必要になります。
また、通路は棺を運ぶことができる通路幅が必要になります。更に建具の大きさも、出棺時のことを考え、ワイドが大きいものが必要になります。

既存の建物を使って、葬儀場を作る場合は、必要な設備を考慮した上で設計し、快適な式場の広さを計算します。

【式場の形状】

広さの次に、式場の形状も重要なポイントです。
式場に必要な備品・設備のレイアウトがし易い形状と、レイアウトしにくく、デッドスペースが大きくなってしまう形状があります。既存の大きな式場を家族葬用に小さい空間にする際に、形状に気をつけなければ、動線計画が難しくなり、スペースを持て余してしまいます。

一番良い平面形状は、長方形です。間口の狭い長方形が有効な空間を作り易く、デッドスペースを最小限に抑えることができます。逆に、間口の広い長方形(横長タイプ)は、祭壇の両サイドに大きなデッドスペースができ易いので、家族葬には向きません。間口が広い分、祭壇を大きくしてしまうと、お花など祭壇の装飾をたくさん追加しなければならず、家族葬としてコストがかかりすぎてしまいます。お花代を控えめにし、コスパの良い式場を演出するには、間口の狭い長方形にし、祭壇が美しく見えるデザインをすることが必要です。
また、横長タイプの式場は、横一列の客席が多くなります。横一列に大人数座る式場ですと、お焼香の時など、出入りがしにくくなり、両端の席は、祭壇が見えづらくなることもでてきます。その辺りは、間口と、祭壇の構成、席のレイアウトを工夫し、うまく式場を構成することが必須です。

葬儀場平面図設計
【式場に必要な備品・設備】

式場に必要な備品・設備ですが、設計側から考えると、意外と知らないことが多いので、葬儀場の運営側から意見を頂戴することが重要です。葬儀場設計ができる事務所に依頼しなければ、後々問題がでてきますので注意が必要です。

まず、備品(家具を含みます)ですが、客席椅子、祭壇廻りの家具があげられます。椅子は式場の形状と広さに合わせ席数を決め、空間に余裕のある場合と、そうでない場合とでレイアウトが変わり、椅子のデザインも変わってきます。
祭壇廻りでは、祭壇をどのようにするのかで、工事も費用も必要な寸法も変わります。置き家具で構成するパターンと、壁に備え付けるパターンがあり、両者では、工事区分が違い関わる職人さんが変わります。作る内容にもよりますが、費用も変わります。そして、空間を構成する時に悩まされるのが、必要寸法です。祭壇の段数が増えれば必要寸法が大きくなるのが置き家具の祭壇です。壁備え付けの壁祭壇にすると、上下に段を作れるので、奥行き寸法を抑えることができます。祭壇段数は葬儀施設のプラン構成により変わります。祭壇に何を飾るのか、お花のプランを何パターン用意するのかによって、祭壇の形状は変わります。そして、見え方も違うものになるので、祭壇にバリエーションが増え、今までの葬儀場とは違った内装空間を演出することができるようになります。収益を上げようと思われている葬儀社様は、祭壇の段数を多めにすることをオススメします。
祭壇の奥行きや、その他家具の奥行きは、限られた空間の中で重要なポイントです。葬儀で使われる備品を把握し、家具を設計することが重要なポイントです。ギリギリの設計をすると、写真が置けない、お花が飾れない、お花用の祭壇段数が足りないなど、後から問題になりますので、先に打ち合わせなければなりません。

【困った時の多目的室】

全ての部屋を設けることができない場合は、様々な場面で使える多目的室を一室設けます。 多目的室は、様々な用途で使うので、使い勝手を考えながら、設計を行います。

また、小さく分けた部屋を数室用意するよりは、大きい部屋を一つ用意する方が、使い勝手がよくなります。
大きい多目的室は、僧侶控室として使いつつ、御安置室としても使用するように、重なって使用するとこも可能です。お寺さんは、嫌かもしれませんので、そのようなことが無い方が良いのですが...。その際に、空間をうまく間仕切れることも重要です。
ご遺体の横でお寺さんにお待ちいただくことは失礼になるので、棺が気にならないように目線を遮るものを設置します。目線を遮るものも、空間を彩るものですので、空間に合うものを考えなければなりません。

多目的室の使い方がある程度分かっていて、毎回同じ場所で間仕切りが必要な場合は、カーテンを設置したりスチール製や木製の移動間仕切を設置し、空間に合ったしつらえでデザインすることができます。ただし、コストはかかります。

使い勝手が決まっていない場合は、置き型のパーティションなどを置き、その都度、自由に間仕切れるものをデザインします。置き型のパーティションの方が比較的安価に製作することができます。

【設計者として感じること】

家族葬を設計させていただいていて感じることがあります。

葬儀とは、亡くなった方の為に行う日ではありますが、同時に、ご家族が気持ちを整理する日だと感じます。そのため、私は、悲しみの中にいる残されたご家族に、故人と向き合える時間を作れるような空間を設計したいと思っています。
そして、安心して設計をお任せいただけるように、実績を積み、「日々精進」を忘れることなく、新しい提案ができるよう心がけております。設計者として、引き渡しをして終わりではなく、半年、1年後のアフターフォローをしっかりと行い、使い心地や改善点などフィードバックしていただけるよう活動しております。

©zeit



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