カーテン溜まり【デザインの注意点】
2023.09.28デザインの注意点
![ストリングスカーテン](https://zeit-design.com/blog/wp-content/uploads/2023/09/IMG_4714-scaled-e1695877773833.jpeg)
カーテンは、住宅の窓面や、ショップのフィッティングルームの出入口以外にも、
広い空間を安価に間仕切ることができるので、良く使います。
ホテルやウェディングのバンケット、葬儀場、オフィスなどで、
広いホールを2分割にし、ホールを2つにする時は、
スライディングウォール(防音できるパネル)で仕切ることがベストなのですが、
コストに限りがある場合は、カーテンを使うことがあります。
その際に注意しなければならないことがあります。
それは、カーテン溜まりをしっかり確保することです。
カーテンの幅が大きくなればなるほど溜まりは大きくなります。
そして、ドレープ(カーテンの波)のヒダを何倍にするかでも変わります。
一般的には、1.5倍ヒダが多いですが、ドレープを多くし、
よりエレガントな雰囲気にするときは2倍にすることもあります。
最近では、普通の摘んでヒダを設けるドレープではなく、
摘みのないウェーブ状のカーテンも流行っています。
そのドレープの倍率で生地の量が増えるので、
カーテン溜まりも比例して大きくなります。
設計する時には、室内の中間で仕切る場合、カーテン溜まりをどこにするのかを考慮しなければなりません。
カーテンオープン時に、カーテン溜まりが存在感を発揮してくるので、うまく隠す工夫をします。
袖壁の裏や、隣接する室内に収納したり、メインホールにカーテン溜まりが残らないようデザインします。
そして、カーテン溜まりは、思っているより大きいので、気をつけなければなりません。
カーテンのワイドに対して考えつつ、
カーテンレールも考慮します。
カーテンは布なので、圧縮すれば小さくなりますが、
レールは金物なので、フックの大きさ以上
には小さくなりません。
ですので、どちらからもカーテン溜まりの大きさを計算し、設計します。
計算上は納まると思って、ボックスを設けても、
生地の材質がゴワゴワしてるものだと、納まらないこともあるので、
余裕を持たせるか、カーテンを抑えるタッセル、ボックスに蓋を設けたり工夫して、
カーテンが目立たないようにすることが大切です。
カーテン溜まりを意匠的にデザインすることが、デザイナーとして重要なことだと感じています。