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葬儀を経験した時の話③

(前ブログの続き)

 

 

前のブログから時間がかなり空いてしまった。

この間に、2年がかりのプロジェクトの竣工があったり、

短期間のプロジェクトが続いたりしていた。

ブログが書けなかった 言い訳をしつつ、続きを書きたいと思う。

 

 

葬儀の準備や、葬儀社などは、ネットを検索すれば結構でてくる。

調べる時間と心の準備は置いといて、ネットを駆使すれば、なんとかなるものだと感じる。

葬儀については、なんとかなるが、その後、何をしないといけないのかが分からない...。

詳しく説明してくれているサイトもない。

やることが、細かすぎてまとめきれないかもしれないのだが、

そこについて、述べている葬儀社のHPは無いような気がする。

 

今後、まとめてみたいと思う。

 

 

今回、私が綴りたいのは、葬儀までの具体的な段取りと感じたこと。

葬儀場を設計するにあたって、葬儀を行う人の心情を汲み取り、デザインに活かすことも大事だが、その前に、ご家族を亡くされた方の気持ちを穏やかにできるよう、事前に情報を共有したいと思いブログに記す。

 

葬儀までは、慌ただしく打ち合わせと、親族への連絡でバタバタ。

ホッとできたのは、家族葬ホールに、遺体を安置して、家族で夕飯を食べた時。

私は喪主ではなかったが、一任されて全て段取りすることになったので、とても良い経験になった。

しかし、一般の人にとっては、とても大変なことだと痛感した。

私が思っているよりも、細かくたくさんのことを準備しなければならないのだと感じた。

 

 

【葬儀社へ連絡】

思い出に浸る時間や、悲しみに打ちひしがれる時間はない。

死亡が宣告された瞬間に、葬儀社への連絡を優しく催促され、遺体を迎えに来てもらう時間を確定しなければならない。

しかも、何時間以内にという、時間の縛りがあった。

この時に、葬儀社を決めていたら良かったと感じた。

せめて、目星をつけて置く必要があるなと。

 

 

【親族への連絡】

そして、親族への連絡。

親族への連絡は、手分けして連絡してもらうのがベスト。

ラインのグループを作るのも手だと思う。

この後に、葬儀場と葬儀の時間と流れの連絡が待っているので、

事前にラインなどでグループ化して作業を減らすのが良いと思った。

 

 

【安置場所の決定】

葬儀社が決まれば、どこで安置するかを決める。

自宅か、葬儀場か。

通常、自宅が多いみたいだが、葬儀場に安置してもらうケースも増えているようだ。

自宅の状況にもより、スペースも必要なので、どちらでも良いと思う。

私達は、寂しくないように自宅を選らんだ。

 

 

【搬送時の問題】

ここで、問題が発生した。

エレベーター問題。

遺体を搬送する際に、エレベーターを使用するのだが、遺体を寝かせた状態で運ぶので、奥行きが必要になる。

エレベーターには、奥の壁面に搬送用のスペースが設けられていることがある。

私のマンションもスペースがあるエレベーターだったのだが、スペースは扉で塞がれ、鍵がかかっていた。

管理人さんが居れば、鍵は開けられるが、夜中なので、鍵が開けられない。

管理会社に電話は繋がっても、夜中なので対応してくれない...。

前もって管理人さんに伝えていれば、鍵を借りれたり、方法があっただろうと思う。

今回は、長年葬儀社を行われているところにお願いしたので、そこはクリアできた。

この問題も、疲れている時に、無駄な連絡と、搬送してみないと分からない状況にヤキモキするのが、とても疲れた。

 

 

【安置】

自宅へ連れて帰ってゆっくり寝てもらう。

必要なもの線香を含め葬儀社さんが用意してくれる。

色々な慣習や流儀があるが、時代とともに簡易的になっていると思う。

翌朝、ご飯を炊いて、いつも使っていたお茶碗とお箸をお供えすることが必要。

 

 

【遺書の確認】

遺書がどこにあるのか、事前に教えてもらう方が良いと思った。

私は何も聞いていなかったので、徹夜で探した。

葬儀のスタイルや、葬儀に呼んで欲しい親しい人など書いていることもあるので、必死に探したが、結局、メモすら出てこなかった。

遺書のある無しは事前に確認が必要だと思った。

エンディングノートを見つけたが、1文字も書かれていなかった。

本人の「まだ生きる」という意志が伝わってきた。

自分がエンディングノートを書けるかを考えると、余計にこみ上げてくるものがあった。

 

 

【葬儀の打合せ

翌日の午前中、葬儀社さんから二人のスタッフが自宅へ訪問された。

昨晩は、搬送スタッフさんと担当者さん。

打合せは、担当者さんと、もう1人営業スタッフさんが来られた。

葬儀の打合せは、葬儀社によって違うと思うので、簡略化させてもらう。

葬儀プランやお花を選んで、必要なものリストが渡される。

メッセージビデオを作成してもらえるとのことで、

故人へのメッセージ作成の取材が、打合せ後に電話である。

写真などは、メールでやり取り。

昼食の場所や、予約は葬儀社さんが行ってくれる。

最終出席人数と、昼食に参加する人数が決まってなかったので、当日に人数を確定したが、それにも対応してくれ助かった。

打合せの日に、お寺さんもご紹介いただいた。

この日に、お寺さんと戒名の打合せも行った。

戒名は、ランクがあり、費用もだいぶ違ったので、事前の知識があった方が良いと思う。

私の家は、決まった戒名があったので、それに則って決めた。

 

 

【葬儀の日時】

葬儀の日時は、早い方が良いと思う。

ただ、葬儀場の空きと火葬場の空きによる。

 

病院で連絡した時は、市内の葬儀場が空いているという話だったが、

打合せ時には、空いていないという状況に変わっていた。

1日貸し切りで、先着順なので、数時間で状況が変わってしまったようだった。

近所の葬儀場が空いている日時が3日後だったので、それまで、自宅で安置するという話をされたが、私達は、親族の希望で、一日でも早く行えるようにして欲しいということで、葬儀は翌日行うことに。

市外の葬儀場(車で30分)、市内の火葬場というイレギュラーなプランで行った。

全国展開されている葬儀社さんだったので、このプランが行えた。

火葬場もかなり混んでいたが、空いていたので、最短で行えた。

火葬場が市内と市外で金額が全然違うので、移動が大変だが、このプランになった。

 

 

【葬儀の準備】

翌日の葬儀となると、遺体の移動が打ち合わせた当日になる。

移動までに、遺影用の写真と、メッセージビデオの思い出写真の準備、故人へのメッセージ打合せを済ませ、宿泊する人は宿泊の用意。

ホテル並のアメニティは揃っていて、浴衣も用意されているので、

翌日の喪服と靴があれば問題なし。

翌日にして良かった点は、慌ただしさと気疲れが短期間で終わる点で、

1日でも早く行う方が良いと思った。

 

 

【葬儀場へ】

準備を済ませ、家族単位で葬儀場へ。

通夜をしない葬儀にしたので、親族は翌日の葬儀に集合。

 

 

【一番行って欲しい儀式 湯灌】

移動した当日は、湯灌をしてもらった。

湯灌は、葬儀前に、お風呂に入れてもらい、綺麗に洗ってもらうこと。

儀式として正式な意味は、「来世に導かれるように、身体と精神の穢れを洗い清め、あの世へ送る」というもの。

湯灌を省略する葬儀が多くなっているようだが、私は湯灌があって良かったと思った。

丁寧に、気持ちよさそうな泡で綺麗にしてもらうことが、故人の為に最後にできることのような気がした。

儀式に参列し、見ている者が恥ずかしくならないよう、裸をさらすことなく、行われた。プロの技を見たような気がした。

 

そして、温かい故人の手を握れるのも、最後。

温かい手を通じて、声にならない気持ちを、そして、伝えられなかった、今までの感謝を伝えられたように思う。

 

湯灌を終えたあと、家族親戚全員が、「気持ち良さそう」「表情がすっきりしてる」と口々に言っていたので、故人も喜んでいるのではないかと思えた。

その時に、湯灌に参加した限られたメンバーの悲しさや辛い気持ちも和らげることができ、少しリラックスした気持ちを与えることができるのだと感じた。

故人の為の葬儀だが、見送る側の気持ちを和らげることができることが一番重要なポイントだと思った。

 

湯灌は省略されることが多く、私の設計した葬儀場も行わないところがほとんどだが、できればしてあげたい儀式だと思った。

オプションになっていたとしても、費用はかかるが、その価値はあるので是非行って欲しい。

 

 

葬儀を行う前、湯灌に関しては、設計時に勉強して知っていたが、オプションになっていたら、省略していた儀式だった。

設計していた葬儀場が省略しているところがほとんどということもあり、お金かかるならやめようかなという、現実的な考えだった。

 

しかし、今回は、湯灌がプランに含まれていた葬儀社さん

「家族葬 千の風」さんだったので、省略することもなく進めた。

この点でも、家族葬 千の風さんに、お世話になって本当に良かったと心から思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

葬儀を経験した時の話②

 

(前ブログの続き)

 

 

葬儀社のサービスって、ある程度経験値がないと

細かいところまで気がつかないだろうなと感じた。

 

自分が葬儀を仕切ることなんて、人生で何回もあることではないが、

痒いところに手が届くというのは、葬儀においては特に重要なことだなと。

 

普通の人は、葬儀のことなど全く知らないし、どうしたら良いのか分からないと思う。

私も、葬儀場の設計を通じて、ある程度の知識はあったものの、

それでも、こちらで決めて、やらなければいけないことなど、殆ど知らなかった。

いつのタイミングで、葬儀社に連絡するのかさえ、知らなかった。

私の知ってることは、式場内で誰がどのように動くのかの詳しい導線くらいだろうか...。

 

そんな状態なので、葬儀社さんに言われて、気づくことも多いし、

日本の葬儀の常識や慣習も知らない...。

お花の大きさや順番って...?親しい身内でも必要なん?と思われることも、

身内にお堅い人がいると合わせてあげなければならないようだ。

最低限の常識は守りつつ、自由にやるのが家族葬なのかな?と...。

お寺さんに失礼のないように、など、

冠婚葬祭はある程度の縛られるものなんだと感じた。

それは、慣習として決まっているからと言われれば、

考える必要ないので、楽といえば楽だとも思う。

 

 

葬儀については、葬儀社さんに質問して進めれば良いが、

その後のこと。

役所関係や、遺品整理、位牌やお墓、お仏壇、銀行口座やカード会社への連絡、親族へのお知らせ、故人の友人への連絡など

やることが山ほどある。

49日までのことも考えておかなければならない。

やること多いし、とても面倒臭い。

携帯解約すら、一筋縄ではいかない。ネットで解約ボタンで終わりではない...。

死亡診断書コピーが事あるごとに必要。

その辺をフォローしてくれる葬儀社さんには、感謝。

死亡診断書を提出して、火葬許可と診断書のコピーを用意してくれたのは、

本当に助かった。

 

 

つづく

 

葬儀を経験した時の話①

ありがたいことに、葬儀場デザインのお声がけをたくさんいただきます。

 

デザイナーとしては、ある程度のキャリアを積んできてますが、

葬儀場設計に携わってからは、まだ5年程度。

まだまだ、物件を通じて学ぶことがたくさんあります。

 

御施主様とのお打合せで初めて聞くようなスタイルであったり、

宗派の違い+地域性であったり、

祭壇周りのデザインも一通りでは通用しないんだなと感じています。

 

設計目線と運営目線、顧客目線

全ての目線で葬儀と向き合いデザインしなければと痛感しています。

 

 

さて、その中でも、

一番大事なのは、顧客目線だなと

身内の葬儀を経験し感じたので綴ります。

 

 

葬儀を行わなければならない時に、

何故、その葬儀社(葬儀場)を選ぶのか?

前準備で、会員にでもなっていれば別だが、

前準備もなく、亡くなって即決めなければならない...

複数社と打合せて、相見積りとってって、時間がないし、精神的にもきつい。

あぁ、事前の準備しとけば良かったと

葬儀場を設計している身分ながらも、

気が回らなかった自分にガッカリした。

 

そして、私が葬儀社さんを選んだポイントは、

初めは内装が綺麗で貸切の葬儀場で絞り、

最後は、電話してみたときの対応力で決めた。

空間のデザインだけで、選ばれることはなさそうだと実感。

 

私が連絡したのは、夜遅くだったので、こちらも疲れているが

葬儀社さんも疲れているはず。

その時の、対応は私にとって、空間よりも重要だった。

 

 

つづく

 

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